子宮筋腫

「子宮筋腫」とは、がんではありません。

そもそも、子宮筋腫というのは、子宮の筋肉の中に出来る「コブ」のようなもので、他の臓器に転移するようなことのない、良性の腫瘍です。

ただし、急激に大きくなるような事があれば、悪性の可能性もあるので、注意が必要です。

筋腫の芽は、誰にでもあります。

原因は、まだはっきりしてはいないそうなのですが、子宮体がんや子宮内膜症と同様、女性ホルモン、エストロゲンの増殖が関係していると言われています。

症状はやはり、子宮体がんや子宮頸がんと同じく、無自覚です。

強いて言えば、これも子宮のがんと同じ、出血やおりものです。

そして子宮筋腫の場合、下腹部にひきつれやしこりの症状が現れます。

痛みがあれば、だいぶ進行している可能性があります。

治療方法は、筋腫がどこに出来るかによって、少しずつ違ってきますが、概ね、薬物や手術、超音波で焼き切るという方法が一般的です。

薬物の場合、女性ホルモンの分泌を抑える薬が使用されます。

手術の場合、子宮筋腫の核(コブ)だけを摘出する手術か、子宮そのものを全て摘出する全摘手術が選択されます。

子宮筋腫の核(コブ)だけを取り除く手術では、子宮を残せますので、妊娠・出産の可能性は、充分に見込めます。

ただし、再発の可能性も高いです。

そして、子宮そのものを全て切り取る全摘手術では、妊娠・出産をすることは出来なくなりますが、再発の可能性は極めて低くなります。

どちらの選択をすることになるかは、症状の進行具合、先生の判断によります。

いずれも、保険適用にはならず、実費のため、1か月程の入院と100万円程の費用が掛かります。

子宮筋腫と妊娠

妊娠の検査の時に、同時に子宮筋腫が発覚する場合があります。

原因は、妊娠に備えて増えた女性ホルモンが、子宮筋腫のしこりを一緒に大きくするからです。

妊婦さんにしてみれば、ショックですよね・・・。

でも、安心してください。

子宮筋腫を患っていたとしても、胎児に影響する可能性は極めて少ないのです。

ただし、陣痛とは違う痛みが出た場合は、手術をしなければなりませんが、それまでは経過観察で大丈夫です。

ちなみに、子宮頸部にしこりが出来ている場合。

胎児が出てくるとき、しこりが邪魔をして、胎児が出てくるのを妨げるときは、通常分娩が出来ませんから、開腹手術になる場合があります。

それでも、妊娠中に子宮筋腫が発覚したからといって、必要以上に意識することはなさそうです。


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